某フードデリバリー配達員のブログ

中年男性フーデリドライバーの独り言

出前館の配達員の服装にルールはあるのか?今後どうなる?について配達員が思う事

「出前館はどんな服装で稼働すればいいのか?」

服装が基本的に自由なのがフードデリバリー配達員の良い所だけど、出前館の服装に関するルールなどはどうなっているのか?

3年ほど出前館の配達員をしている経験からすると「常識の範囲内の服装なら何も問題はない」と感じています。

他社と比較するとやや厳しめに感じるけど、そう感じるのは他社がさらに自由度が高いからなのだとも思います。

そのへんのことを。

出前館の服装規約について

出前館の服装規約は次のようになっています。

  • 服装はお客様に不快感を与えない清潔感のあるもの
  • マスクの着用をお願いいたします
  • シャツは自由で構いません
  • ズボンは、無地の黒い長ズボンの着用をお願いします
  • サンダルは配達時に危険なため禁止とさせていただきます

https://cdn.demae-can.com/contents/pdf/driver_entry_manual.pdf

規約そのものはごくごく普通の内容となっています。
これを見て「厳しい!」って人はそうそう居ないと思います。

(マスクの着用だけ、未だに残しているのは謎ではありますが…)

出前館の服装規約を配達員は守っているのか

服装規約そのものは厳しくはないのですが、この服装規約をどの程度守っているのか。

統計を取ったわけではないのであくまで肌感覚ではありますが、ボチボチです。

守っているような、守ってないような…という微妙なラインの配達員がほとんどです。
お手本のような服装の配達員も滅多にいませんし、全部守ってない配達員も居ません。

例えば、夏場には長ズボンの配達員はグンと少なくなりますし、長ズボンだからといって黒色ばかりではありません。

なんならサンダル履きの配達員も全体の2割ぐらいいますので、守っているような守っていないような…です。

でも、だからといって全身アウトなのか?というと、そうでもないという印象です。

出前館の服装規約の今後

これはフードデリバリー業界全体に当てはまることでもあり、個人事業主への業務委託という形態が影響してくるのですが、服装規約は今以上に厳しくなることは考えにくいです。

つまり、どんどん自由になることはあっても、厳しくなることはまずないと思います。

その理由が、「規約を厳しくするほど、従業員性が高まる」という背景があるためです。

個人事業主への業務委託ですので、建前上対等な関係にあります。
実質、仕事をいただいて、お金をいただき…となりますから主従関係はあるのですが、法的な建前では対等なのです。

なので、一方が条件を厳しくすればするほど、それは対等性が薄くなるよね?となり、対等じゃなくて主従関係にあるので従業員とみなして雇用するようにという方向に話が向かうことがあります。

実際、欧州ではフードデリバリー配達員は実質従業員なので雇用しなさいという命令が下っているところが少なくありません。

 

コロナ禍の街角で目にすることが増えたフードデリバリーの配達員。日本では労災補償や失業手当も出ない「個人事業主」として扱われているが、ヨーロッパでは今、公的保障を受けられる「労働者」とみなす大改革が進んでいる。

フードデリバリー配達員は「個人事業主」ではなく「労働者」! ヨーロッパで進むギグワーカーの社会的保護(溝上憲文) - エキスパート - Yahoo!ニュース

 

雇用となるとフードデリバリー会社の負担は大きく膨らみますので、それは避けたい。

だから規約を必要以上に厳しくするのはやめようというところで踏みとどまっているのが現状だと感じています。

2022年の規約変更で出前館の赤色の帽子の着用義務が外れましたが、これはまさに従業員性を出さないための変更です。とにかく雇用関係になるのを避けたいので、規約を緩くすることはあっても、厳しくすることはないと思われます。

服装規約違反の配達員が居たとして…

個人的には、出前館は相互評価システムを導入していないことに疑問を感じています。

というのも、服装的にアウトな恰好だとして、それをお客様側やお店側でどう評価するのだろう?という点が謎なのです。

お客として出前館を利用してみるとわかりやすいのですが、記憶する限り、配達員を評価する画面がありません。つまり、どんな服装であっても、それを不適格と評価する仕組みがないのです。

この環境で、服装規約を守らせることができるのだろうか?
逆に、服装規約があっても意味がないのでは…?とも思っています。

というわけで…

出前館の服装規約についての今と、今後や配達員として思う事を書いてみました。

他社の服装規約と比較するとやや厳しめではありますが、それでも全然常識の範囲内です。
ただ、これ以上厳しくすると雇用関係に近いとみなされて、雇用とみなして、必要な形態にしなさいと国が言い出しかねないので、これ以上厳しくしにくいという背景はあるようです。

その上で1つ疑問なのが、仮に服装規約を守ってない配達員が居たとして、その配達員を特定する仕組みがないこと。

服装が不適格な配達員が配達に来たとして、それを評価する仕組みがないので野放し状態になります。ここを改善しないのが出前館らしいと言えばそうなのですが、規約を厳しめで設定するなら、ちゃんと自分たちのシステム作りも厳しいものにしてほしいな…と配達員としては思います。

そんなわけで、服装規約の今と今後について書きました。おしまい。