任意保険
ウーバーイーツの配達員として稼働する時には、とてもとても大切なものの1つです。
あなたを守るだけではなく、事故の当事者となった相手方。あなたの家族、相手の家族のためにも任意保険の存在はとても大切です。
だから、ウーバーイーツの配達員として稼働すなら、絶対に任意保険に加入しておいてください。
でも、日ごろから保険と身近に接しているわけではありませんから、任意保険が大切なことはわかっていても、細かい部分は今一つ分からない…と戸惑ったり躊躇したりすると思うのです。
そこで、現役のウーバーイーツの配達員の僕が、自身の稼働中の事故体験も交えながら、任意保険の大切さと必要性についてあれこれ書かせていただきたいと思います。
ウーバーイーツ配達員にも任意保険は必要なのか
必要か不要かを問うまでもないかもしれませんが、配達員も任意保険への加入は必須だと捉えておいてください。
その理由をいくつか挙げさせていただきます。
自転車もバイクも国は任意保険への加入を強く薦めています
バイクはもちろんのこと、自転車でも任意保険の加入を国は強く薦めています。
自転車の場合は法律ではなく都道府県の条例で任意保険の加入を義務としているのかいないのかの違いはありますが、ほぼすべての都道府県で義務化しております。
特に事業でバイクや自転車を利用する場合は任意保険への加入をほぼ義務化していますので、加入すべきか否かを考えるべくもなく加入すべきなんだよと国はしています。
その大きな理由が自賠責保険だけではバイク事故で発生した損害賠償を賄いきれない可能性が高いためです。
事故を起こしたときに一気に人生が詰む
加害者であろうが被害者であろうが、その事故がきっかけで一瞬で人生が詰むことがあります。
加害者の場合は過失割合がかなり不利になりますので、その事故での損害の多くを弁償しなくてはいけなかったり、相手をケガさせたりしている場合は通院費から慰謝料などなど多くの補償に必要となります。
被害者の場合でも完全な被害者(過失割合0:10で相手が100%悪い場合)以外は、被害者であっても相手に対していくらかの弁償をしなければいけなくなります。
また、怪我をしてしまうことで仕事どころではないとなった時、自営業者の場合はそれがきっかけで一気に収入の道が途絶えます。人生が一気に詰みます。
そういった部分をケアしてくれるのが任意保険です。
原付での事故の場合、自賠責保険がありますから最低限の補償をしてくれますが、補償対象としているのは対人の補償額です。しかも限度額が結構低めに設定されておりますのので、必要最低限の補償です。
例えば事故相手の乗り物、自身の乗り物の弁償にかかる費用などは自賠責の補償対象外ですから、その補償を自腹となりますが、数十万円は安いぐらいで、過去の判例を見ると1億円近くの賠償を求められるケースもあります。
https://atombengo.com/jikobengo/hokenmikanyu
とても個人の貯蓄で賄いきれるような金額ではありませんから、だからこそ国は保険の加入を強く推奨しています。
月額費用をケチって得をしたつもりでも事故に遭うと一瞬で大損
余談になりますが。
事故に遭うのかどうかわからないし、おそらく可能性としては低いのだから任意保険に入らなくてもいいだろう…保険の月額費用が勿体ないし…と考える方は少なくないと思います。(それがバイクユーザーの任意保険加入率44%という数字に出ているのだと思います)
実際に安全運転をして事故に遭わずに何年と過ごされている方も珍しくありませんが、それでも事故に遭わない補償なんてありません。
仮に10年無事故で来ても10年1日目で事故に遭うことも当然ありえますし、そうなったときに任意保険に入ってなければ10年分の節約なんて無意味なレベルの賠償を求められます。
そういったことから自分自身を守るために任意保険がありますので、任意保険に加入しないということは賠償に対して無防備な状態で乗り物に乗るということを意味します。
ウーバーイーツには保険が用意されているけど別途加入が必要?
ウーバーイーツの場合、ウーバーイーツが独自に用意されている任意保険がありますので、事故を起こしたときにそちらを利用することができます。
補償内容も結構シッカリしていますので、任意保険に加入しなくても良いと言えば良いのかもしれませんが、それとは別に自分自身でも任意保険に加入しておくほうが無難です。
利用できるタイミングに縛りがある
大きな理由の1つが、ウーバーイーツの任意保険を使えるのは業務中限定であるということです。
この”業務中”の定義は、リクエストを受託した瞬間から、配達完了後15分までとされています。(最新の定義は公式サイトをご確認ください)
つまり、その業務中の定義に当てはまらない部分での事故にウーバーイーツの任意保険は使えませんので、個人で任意保険に未加入の場合、業務外の事故の補償で大きなダメージを受けることになります。
具体的に書くと次のようになります。
業務中と業務外、任意保険の有無でのマトリクス
個人の任意保険無し | 個人の任意保険あり | |
業務中 | ウーバーイーツの任意保険 | ウーバーイーツの任意保険 or 個人の任意保険 |
業務外 | 使える任意保険がない | 個人の任意保険 |
ウーバーイーツの任意保険は業務外の事故まではケアしてくれません。
もし業務外に事故を起こしてしまった場合、使えるのは任意保険は個人で加入している保険だけです。しかも、もし個人で任意保険に加入していなければ、賠償に関するお金はバイクの場合は自賠責の範囲内のみ、自転車の場合は全額自己負担になります。
相手との交渉は自身が窓口になる
意外と大変なのが、事故を起こした後の保険会社とのやり取りや、事故相手とのやり取りの窓口に自分自身がならなければいけないということです。
僕自身が事故を起こし、ウーバーイーツの任意保険を使って対応した経験がありますので、この大変さは身に染みています。
細かい書類のやりとりや、保険会社から聞いた話を被害者に伝え、被害者の意見や考えを保険会社に伝え…と本当に大変で、事故から保険を使った慰謝料の支払いまでにかなりの時間を要しました。
これはまだ僕も相手も怪我が軽めで済んだから良かったものの、もしこちらが自由に動けない状態である場合、そのやり取りすら難しくなりますので非常に困難を要します。
保険を使うとアカウント停止の危険性がある
ウーバーイーツへの事故報告と同時に、基本的にアカウントが一時停止されます。
調査して状況を把握し、事故内容や事故後処理の進捗を見てからアカウントが再開されることになります。
だからアカウントの停止の危険性なんてないのでは?となりそうな所ですが、以前は事故報告したらアカウントが停止されてそのまま解除されないということがよくありました。
その名残で今も事故を起こしても運営に報告するなという悪しき文化が配達員界隈に残ってしまっていますが、それが自己防衛のために最善の選択であるともいえなくはないのです。
今日現在、アカウント停止リスクがゼロになったわけではありません。
例えば、配達中に事故を起こしたとします。受託した配達を完了させることができなかったことになりますから、商品を受け取った後に配達員都合で配達をキャンセルしたということでアカウントに対してかなり重いペナルティが課されます。
そのペナルティだけで一発永久停止になることはなくても、過去の実績を踏まえて「このアカウントは配達員として不適格だ!」と判断して、合わせ技1本でアカウントの永久停止になるなんてことも十分考えられます。
そこで自身の任意保険を使える範囲なので、こちらで対応したほうが良いのかもしれない…と判断して、自身の任意保険で処理をする配達員もいます。
ウーバーイーツ配達員にはどんな任意保険が良いのか
「任意保険は入るほうが良い。むしろ入るべき!」と断言できてしまうぐらいに任意保険への加入は必須です。面倒かもしれませんが、面倒なのは加入する際の手続きだけなので、絶対に加入しましょう。
そこで気になるのが、どんな任意保険が良いのか、です。
色々な情報がありますから絞りきることができないと思われるかもしれませんが、ウーバーイーツの配達員が入るべき任意保険となると、次のポイントを絶対に抑えることを意識しながら選んでみてください。
業務中の事故にも対応可能であること
業務中の事故であっても使える任意保険であること。一番大切なポイントはこれです。
そんなのは当たり前では?と思われるかもしれませんが、実は業務中の事故も対応してくれる保険は意外と少ないのです。
たいていの任意保険は業務外のみ対応と思っておいたほうが良いぐらいです。
弁護士特約が付いていることも推奨
弁護士が窓口になってくれる保険であることも結構大切です。
慣れない保険対応を自身が窓口になるとなると処理も手間も結構大変で時間もかなりかかりますし、お金の話で足元を見られることもあります。
弁護士特約を付ける・付けないで支払う保険料は小さな違いですが、保険を活用するとなった時には目玉が飛び出るほどの違いがありますのでコスパ的に付けないのは損です。
弁護士が窓口になると裁判を起こした場合を想定した金額が提示される
あなたが加害者側であれ、被害者側であれ、あなたの代理人として弁護士が対応することによって、保険会社は”裁判を起こした場合の落としどころの金額”を提示してきます。
仮に弁護士が代理人として交渉しても金額で折り合いがつかないとします。この場合、ほぼ必ず裁判に移行して裁判で決着をつけることになります。そうなれば、過去の判例にならった金額で決着になるのが通例です。
裁判に応じる手間暇、裁判費用などを考えると、裁判を起こした場合に最終的に提示されるであろう金額で示談で決着してしまうほうがまだ良いという考え方をするためです。
(僕が事故を起こしたときに、相手が弁護士を代理人に立ててこられたので、その弁護士さんにそのあたりの事を教えて戴きました)
僕自身の体験では、一般人が対応している場合に保険会社が提示する金額と弁護士が代理人になって対応した場合に提示する金額には5倍近くの差がありました。
弁護士があなたの代理人として交渉にあたってくれることで時間の節約になることはもちろんのこと、決着までがスムーズですので、弁護士特約がついている保険を選ぶことをオススメします。
ウーバーイーツ配達員にもおすすめの任意保険
任意保険は入るべきか否かを問うまでもなく入るべきであるということをここまで書かせていただきましたが、ではどこが良いのか?ですよね。
お手頃な月額料金で、なおかつ補償も厚目となると実はそう多くはありません。
また、自転車で稼働するのか、バイクで稼働するのかでオススメの任意保険は変わってきますので、それぞれ分けて紹介させていただきます。
おすすめの任意保険
自転車で配達をする方
自転車向けの任意保険の中で、業務中対応のものが残念ながら見つかりませんでした。 その中でオススメできるものを2つピックアップさせていただきます。
PayPayあんしん自転車保険 おすすめ度:★★★★
Paypayが運営する自転車保険「PayPayあんしん自転車保険」。
月額100円台の保険料金でありながら損害賠償責任の限度額1億円までという太っ腹な保険です。2つのプランがありますが、200円もあればお釣りがくる金額ですので、躊躇する理由はないのではないでしょうか?
au自転車保険 おすすめ度:★★★
auが運営する自動車保険「au損保のBycle」。
最も安いプランで月額300円台ですのでPaypay安心自転車保険と比較すると割高に感じるかもしれませんが、個人の賠償責任の限度額が一番下のプランでも2億、一番上となると3億です。
分厚い補償で完全にあなたを守り切ってくれます。
バイクで配達をする方
バイクで稼働する方にお勧めしたいのは1つだけです。
「東京海上日動」 おすすめ度:★★★★★
バイクを配達に使う方は”東京海上日動火災保険”をぜひ第一候補に入れてください。業務利用中のバイク事故でも保険の対象となる任意保険です。
加えて、二輪館などのバイク専門店が窓口として対応してくれる保険でもありますので、不明な点や手続きなどを二輪館のスタッフに相談しやすいというメリットもあります。
バイクを使って配達をする方は、東京海上日動火災保険の任意保険をぜひ一度はチェックしておいてください。
比較検討してバイク保険を決めたい場合
バイク保険をじっくりと比較して、自分に一番合った保険を探したい…と思われているのなら、バイク保険の比較サイトで比較されてみることをお勧めします。
自分で1つ1つ調べるよりも時間を短縮できますし、掘り出し物が見つけるかもしれません。
また、今の自分が望む補償を受けられる保険のだいたいの月額費用の相場もわかりますので、加入するしないは抜きにしても一度試してみることをオススメします。
そんなわけで
ウーバーイーツの配達員にとっての任意保険について書かせていただきました。
もはや加入する・しないという選択肢があるものではなくて、加入しないという選択肢はないものです。加入せずに稼働をするなんて、本当に危なくて仕方がありません。
人生を生贄にしてまで配達業務を行う必要なんかありません。
だから絶対に任意保険には入るようにしてください。
それは事故をしてしまい、ウーバーイーツの任意保険を使って、被害者とのやり取りをして…という体験を経て僕が強く強く抱いている思いでもあります。
くどいですが、気が向いたらとか、また今度とかのレベルじゃなくて、今すぐに、まさに今、Right now!just do it!と言いたくなるぐらいに大切なものですので、絶対に加入してくださいね。
事故を起こさないに越したことはありませんが、事故は起こすだけじゃなくて貰うこともあります。乗り物に乗って路上に出た時点で事故に遭う可能性はゼロではありません。
絶対に加入しておきましょう。