某フードデリバリー配達員のブログ

中年男性フーデリドライバーの独り言

ウーバーイーツは貧乏人が配達してお金持ちだけが頼んでいるのか?

ウーバーイーツ世間の印象はこんな感じの意見が極端に多い。

  • ウーバーイーツの配達員は貧乏人が多い
  • 貧乏人はウーバーイーツを頼まない

つまりは、”お金持ちなお客様のために貧乏な配達員がご飯を運ぶサービスである”という認識がウーバーイーツの配達員のイメージ。

配達員として言わせてもらうと…間違ってはいない。その通りかもしれないと頷かざるをを得ない。

でも、全員が全員そうじゃないって所が面白い所だったりするんです。

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ウーバーイーツと貧乏のイメージの関係性

貧乏な人が配達員をしているというイメージ。

なんでこのイメージが定着しているのか…というと、こんな理由が考えられます。

  • お金に困った人が配達員をしている
    • コロナ禍で仕事がない
    • 就転職したくてもできない
    • 本業の稼ぎでは足りない

このイメージが定着していると思うんです。

実際、世界規模で見てもそれらの理由にほぼ合致している人が配達員をしていることが多く、国によっては社会福祉的な仕事であると捉えて、社会福祉としてこの仕事の存在を支援していこうと位置づけていたりもします。

貧乏という切り口がメディア受けが良かったという仮説

メディアは世の中を知る上で重要かつ不可欠な存在ではありますが、その多くは営利企業です。簡単に言うと、売上をあげることが至上命題です。

扱った記事が注目を集めなければ、記事を発信する意味も価値もないと言っても過言ではありません。

そんなメディアがウーバーイーツという黒船的存在を扱う時に、どういう切り口が受けるのか?という試行錯誤があったと思うのです。

色々な切り口を試していく中で、”貧乏人がやっている”というものが受けたのだと思います。特にコロナ禍で生活苦からウーバーイーツをやるという人が増えたこともあり、一気にそっち方向の露出が増えたと思います。そして、これがウケたのだと思います。

そこから貧乏人がやっているという切り口での扱いが増えたと感じています。

当初はスタイリッシュなイメージを売っていた

なぜそう感じるのかというと、ウーバーイーツの当初の触れ込みは、「隙間時間にスマートに稼ぎましょうよ」みたいなスタイリッシュなイメージでPRしていたためです。(今もそうだと思いますが)

イメージ写真も、カッコいいお兄さんがロードバイクにまたがって、カッコいい服装でスタイリッシュに配達するというものが使われています。

このイメージで広げたかった、カッコいい仕事という印象を広げたかったというのが当初の戦略としてあったはずですし、実際初期から稼働している配達員はそういうスタイリッシュな配達員が多いです。

でも貧乏人がやっているビジネスのほうがメディア的にはウケがよかったので、そっちの方向での露出が増えたという印象です。

配達員は貧乏人がやっているのか?

では、本当に貧乏人が配達員をしているのか?ということと、貧乏人はウーバーイーツを頼まないのか?という2点については、実際に配達をしていると違った印象を持つこともあります。

配達員から見た配達員の印象

貧乏人が配達員をしているのか?というと、これに関しては8割がた間違いではありません。でも残り2割ぐらいは、お金が理由じゃない配達員が居たりします。

僕の認識ではこんな感じです。

  • 暇な時間に気を遣わずに自由にできる仕事をしたい
  • 運動がてらにできる仕事をしたい
  • 乗り物を乗りながらできる仕事をしたい

こんな理由で仕事をしているイメージです。

とはいっても、過半数はお金が動機の貧乏な人がやっているというのは内側にいても感じますから世間の印象は間違ってませんけどね。

稼ぎもそないに悪くはない

波はあるし、限界もありますが、実はこの仕事の稼ぎは決して悪くはありません。

稼げる地域で時間を可能な限り投下すればそれに比例して稼ぎが増えていきますので、脳死状態で働いている体力お化けの配達員の中には、月100万円近くを売り上げるものも普通にいます。

一流企業の方たちにはそれでも及びませんが、年1,000万円近くの収入を得ることも可能な仕事ですから、サラリーマンよりも稼げている配達員も居るには居ます。

なので、貧乏人がやっている仕事だよねってことをお金持ちの人に言われると「へぇ、おっしゃる通りで…」となりますが、サラリーマンの方に言われると「多分、そんなに変わらないよ」と思っている配達員も居たりします。

お金持ちだけがウーバーイーツを頼んでいるのか?

逆の視点で言えば、貧乏な人はウーバーイーツを頼んでないのか?というと、多分そんなことはありません。

こればかりはお客様の懐具合は僕たちにはわかりませんから断言はできません。

ただ、「タワマンに住んでいる人ばかりが頼んでいるのか?」というとそんなことはありません。地域によりますが、大阪市内だとタワマン案件は全案件の2割あるかどうかです。

同じ比率ぐらいでハイツなどの低家賃マンションからの依頼があります。

でも、そこに住んでいるから貧乏だとは限りません。めっちゃ金持ちでも家賃がバカバカしいから低家賃に住んでいる可能性はありますしね。外側から懐具合はまったく読めません。

一つ確実に言えるのは、時間の使い方の価値観なんだと思います。

時間を節約したい人が使うイメージ

このサービスを利用するお客様は、それがお店で頼むよりも高いということは100も承知です。それでも頼むのは、そこに行く手間暇を考えると、それぐらいの上乗せがあっても割にあうという計算があるためだと思うのです。

つまりは、手間暇という時間の価値観なんだと思います。

 

例えば在宅ワークをしている方が、「1件電話をしたいけど、ご飯を買いにも行きたい…」と思っている時、出前でご飯を頼んでおいて、それが届くまでに電話を済ませておけば、効率よく時間を使うことができます。

  • 電話の時間+買い物の時間+食事時間
  • 電話の時間+食事時間 ← 買い物の時間が浮く

この違いが産まれますので、買い物の時間を他に有効活用することができます。

 

お金の有無よりも時間に対する捉え方の違いが顕著にでるサービスなんだと思います。

つまり・・・

何が言いたいのかというと、世間が抱いている印象ほど極端なサービスではない気がするってことです。

貧乏人だけが配達員をしているわけじゃないし、貧乏からスタートしても、そこそこ安定した稼ぎを得ることで生活が変わっていった配達員も居ます。

逆に、お金がある人だけが頼んでいる印象かもしれませんが、そんなことはありません。どちらかというと時間の節約のために頼んでいる人が多い印象です。

 

でも、だからどうってことではありません。

貧乏人が配達して、お金持ちが頼んでいるという構図のほうが面白いですから、会話のネタにするなら、そっちのほうが良いって気持ちもわかりますしね。

あくまで一配達員として内側から見ていると、そう感じますよってことを書いてみました。

よければ参考にしてみてください。