「タバコを買ってきてくれませんか?」
配達員として稼働していると、そんな申し出を受けることがある。
最近はないが(年単位でそんな申し出はない)、数年前は何度かそういう依頼あった。
お客様の元へと食べ物を運ぶ途中に、お届け先のお客様からお使い以来のメッセージが届くんです。
「コンビニでXXという煙草を買ってきてもらえますか?」と。
食べ物を頼んだついでに煙草も買ってきてくれたら超ラクチン!
でも、タバコをウーバーイーツでは頼めない…ってことで、ついでのお遣いをお願いされるのだと思います。
僕は一度もお使いを引き受けてませんが、中にはその依頼を受けている配達員も居るようです。
配達員としては規約的にアウトなんだろうけど、アウトと断言するのは難しい限りなく黒に近いグレーな行為なので、配達員の判断次第かつ自己責任なのかもしれません。
つまり、配達員の判断次第かつ自己責任なので、依頼の仕方ではたばこお遣いをお願いすれば請けてくれる可能性は十分にあり得ますよってことをツラツラと。
なぜタバコを取り扱わないのか?
タバコを買いたいという需要があるんだから、取り扱い商品の中に含めればいいのに…と配達員目線でも思ったことが何度もあります。
でも、現状扱ってませんし、多分これからも扱う事はなさそうです。それはこんな理由からです。
タバコはお店側が利益がでない
タバコの本体価格はそこそこ高いです。今500円を下回るタバコは滅多にありません。
そんなたばこの本体価格のうち、65%は税金です。
たばこ税が65%乗っていて、純粋なたばこ代は35%です。
500円のタバコなら、たばこ代は175円って計算です。
ウーバーイーツは本体価格の35%を手数料として販売店から徴収していますので、たばこ一つに対して175円の手数料を取ることになります。
つまり、ウーバーイーツ経由でタバコを売ってもお店側には利益が発生しません。
また、タバコの販売価格はたばこ事業法第36条第1項で縛られているため、勝手に変えることもできませんから、ウーバーイーツでタバコを売ってもお店側がメリットを出せないのです。
「小売販売業者は、第33条第1項又は第2項の規定による認可に係る小売定価によらなければ製造たばこを販売してはならない。」
タバコお遣い依頼はなぜ拒否されるのか?
タバコのお遣い依頼を拒否されるのはなぜなのか。
理由は配達員によりけりですが、僕が配達員仲間とやり取りをしていて感じることをまとめるとこんな感じになります。
- 面倒くさい
- 前例を作りたくない
- 規約違反の可能性大
おおよそこんなところです。
要するに、”お遣いにいく手間とリスク > お遣いに行くメリット”を崩せないのでお遣い案件には消極的なのです。
具体的には次のような理由が背景にあります。
面倒くさい
お遣いに行くというひと手間が面倒というシンプルな理由でいかないケースがあります。
荷物をお店で受け取って、その途中でコンビニなりによって煙草を買うというひと手間を割いたところで、配達員には何にもメリットがありません。
感謝はされるかもしれませんが、収入が増えるわけではありませんし、そこまでする義理もありません。
だから行かないというパターンです。
前例を作りたくない
お遣いに行くことで「他の配達員は行ってくれた」という前例を作ることになります。
そうなると、今後他の配達員がそのお客様のお遣いを断ったときに「他の配達員には行ってくれたのに、この配達員は不親切だな。低評価をつけよう」みたいなことに繋がりかねません。
一度お遣いを快諾した配達員が居ることで”お遣いを受けてくれるんだ”と基準が変わってしまうんです。
だから、無闇にお遣い案件を受けるのは全体のために良くないという考え方です。
規約違反の可能性
配達員がそのお客様との間に交わしている契約は、ある飲食店からある商品をお客様の元へ届けるという行為のみです。
そこから外れた行為は契約外の事となります。
その契約外の行為に対してウーバーイーツが罰を与えようと思えば十分可能です。前例を聞いたことはありませんが、可能です。
そのようなリスクを抱えたくないと抱える配達員も少なくありません。
タバコのお遣い依頼の成功率を上げるには…
タバコのお遣いに行くことは、配達員にとって無闇やたらにリスクを高める行為ですので、依頼を受けることは賢明ではないというのが共通認識になっています。
加えて、シンプルに”なんでひと手間増やさなあかんねん”という理由で乗り気じゃない配達員も居ます。
つまりは”お遣いにいく手間とリスク > お遣いに行くメリット”の状態にあるので、行きません。
逆に言えば、ここを崩すことができればお遣いを受けてくれる可能性は高まります。
例えば、次のようなメリットを付与すると、お遣いに行く可能性は上がると思います。
駄賃についての提案
配達員にお遣いに行ってくれたお礼として謝礼を支払うということも同時に申し出れば、請けてくれる可能性はあがるはずです。
謝礼にはどの程度の金額なら良いのかという相場はありませんので、感覚的な判断にはなると思います。
例えば「100円の駄賃をあげるよ」と申し出てメリットを感じて貰えるのかどうかというと、メリットには感じないどころが「バカにしてるのか…」とムカッとくる配達員も少なくないはずです。
でも、1,000円の駄賃を払いますと言えば、喜んでお遣いを引き受ける配達員も居ると思います。
どうすれば配達員にメリットを感じてもらえるのかを想像して駄賃を提案すれば行く可能性は上がると思います。
というわけで…
タバコのお遣い案件を配達員にお願いする上でのポイントのようなことを書かせてもらいました。
”お遣いにいく手間とリスク > お遣いに行くメリット”の関係性を崩すことができない限り、大抵の配達員はお遣いを引き受けてくれません。
そのリスクの中には、アカウントを停止されるかもしれないというリスクも含まれていますから、それを上回るメリットの提示がないと引き受けません。
でも、どうしてもお遣いをお願いしたいと思われるときは、メリットを増やす提案をぜひ検討してみてください。
一番わかりやすいメリットの提案はお駄賃です。現実的かつ、メリットを感じるお駄賃を同時に提案してくれれば、お遣いを引き受けてくれる可能性は高まります。
(高まるだけで、それでも断る配達員は多いことはご理解ください。)
個人的には上記の諸々を踏まえてあまりお遣い依頼を推奨しませんが、お遣いをお願いする時の考え方の一助として参考にしていただければ幸いです。