某フードデリバリー配達員のブログ

中年男性フーデリドライバーの独り言

フードデリバリーロボットのメリット・デメリット、導入に向けての現状や今後まとめ

フードデリバリー業界では、人間による配送からロボットによる配送へと移行すると言われています。

それに向けて各社着々と準備を進めている段階が今日現在ではありますが、実際にフードデリバリーロボットによる配送が実用化されている地域も出てきております。

そんなフードデリバリーロボットの現状、そして、今後についてまとめました。

フードデリバリーロボットとは

自動宅配ロボットとは、扉付きの荷物を入れるスペースを有し、遠隔操作もしくは自律走行で目的地まで配達する車輪駆動型のロボットのこと。自動配送ロボットともいう。

多方面についたカメラやセンサーにくわえ、AIも活用して人や障害物などを検知し安全性を確保する。配達先の顧客は自身のスマホなどを用いて、自動宅配ロボットに対して本人認証を行い荷物を受け取る。日本において公道実証実験を行う際には、6km/h以下、且つ長さ120cm×幅70cm以下の自動配送ロボットが対象となっている。

https://www.nikkei.com/compass/theme/51140

フードデリバリーロボット導入の状況

アメリカでは一足先に導入着々

宅配ロボット開発を手がけるアメリカのServe Roboticsは、Uber Eatsから2021年にスピンアウトした企業。そしてUber Eatsは、Serve Roboticsとの契約を拡大し、2,000台の配達ロボットを世に放つ予定だそうです。

https://www.gizmodo.jp/2023/06/uber-eats-delivery-robots-food-delivery.html

フードデリバリーという面では一足も二足も先を行くアメリカでは、2023年段階でフードデリバリーロボットの本格導入が始まっています。

日本のフードデリバリーロボットの導入状況

ウーバーイーツは2024年から徐々に導入していく予定

Uber Eats Japan 合同会社(以下、「Uber Eats Japan」)、三菱電機株式会社(以下、「三菱電機」)、Cartken Inc.(以下、「Cartken」)は本日 2024 年 2 月 21 日(水)、自律走行ロボットを使用したオンラインデリバリーサービス(以下、ロボットデリバリーサービス)提供に向けて業務提携いたしました。ロボットデリバリーサービスは 2024 年 3 月中に東京都内の一部地域で開始する予定です*1

https://www.uber.com/ja-JP/newsroom/robot-delivery-launch/

このようなアナウンス記事が出されて、実際に導入された映像が以下のニュースです。

導入開始

米Uber Eats(ウーバーイーツ)の日本法人であるウーバーイーツジャパン(東京・港)は、2024年3月中に都内の一部地域で自律移動型ロボットによるデリバリーサービスを始める。Uber Eatsがロボットを使った配達サービスを行うのは、米国に続き2カ国目となる。通常は、配達員が自転車やバイクなどに乗って料理などを配達しているが、ロボットにその一部を担わせることで人手不足解消につなげる狙いがある。

https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/news/24/00313/

https://www.youtube.com/watch?v=pzO9m8kiuZ8

出前館ではタワマン内での配送用として利用開始

株式会社出前館(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:藤井英雄)が運営する日本最大級のデリバリーサービス『出前館』は、三井不動産株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:植田俊)が管理する東京ミッドタウン八重洲(所在:東京都中央区)にて、デリバリーロボット活用におけるデリバリーサービスに参画いたします。

https://corporate.demae-can.co.jp/pr/news/demaecan/20230731.html

フードデリバリーロボット導入のメリット

フードデリバリーロボットの導入をフードデリバリー各社が目指しているのはなぜなのか。
それは次のようなメリットがあるためだと言われています。

全天候・24時間365日稼働可能

ロボットですので疲労することなく、眠ることもなく、食事も不要ですので、24時間365日の稼働が可能です。

ウーバーイーツの場合、24時間体制でサービスを提供していますので、フードデリバリーロボットが活躍するための土俵はすでに用意されています。

また、雨に濡れても中の商品が傷むようなことはない密閉構造となっているようですので、大抵の天候で運行可能なようです。

低コスト配達も実現可能かも

ロボットそのものがまだまだ本体価格が高く、メンテナンスなどの費用もままならないという事が想像されますので、配達コストが安価であるとは言い難い状況にあると思われます。

そのため、人間が配達をするほうがコスト面も含めてまだまだ良いという事になってくるはずです。

しかし、技術が進み、大量生産などでコスト面がかなり改善されると低コストな配達手段として重宝されることになるのは間違いないと思われます。

雇用に左右されない

コスト的に人を雇うよりもお得だからという側面だけではなく、配達人員が足りない地域や時間帯を補完する役割もロボットには期待できます。

例えば、夜中の配達人員が足りない時には、ロボットが繰り出してその穴埋めをする。
例えば、ローンチ間もない配達人員が少ないエリアでの配達人員の補完をする。

そうすることで販売機会を逸することなく、売上を伸ばすことができます。

フードデリバリーロボット導入の課題・デメリット

ロボットを導入することで得られるメリットもあれば、デメリットもあります。
各社の状況を見る限り、次のような点がデメリットとして考えられます。

安全性・確実性の確保

ロボットがお店に料理を取りに行き、料理を受け取り、それをお客様の元へ届けるという一連の工程を完璧にこなすにはまだまだ課題があるようです。

例えば、イレギュラーな道路状況には独自の判断では対応できない部分もあるようです。

安全に確実に届けきることができるのかというのは今の喫緊の課題だと思われます。

配達速度

映像などを見る限り、歩行者よりも遅い速度での航行しかできないようです。

あまりにも早いスピードだと危険性が増すので致し方ないとは思いますが、歩いているほうが早いぐらいのスピードでの配達となると、おのずと配達できるエリアも限られてきます。

自動運転の自動車でお届け先の前まで移動し、そこからお届け先までのワンマイルをロボットで…となるのが現実的かもしれません。

メンテナンス

ロボットが故障した場合、そのロボットを回収して、修理を…という手間が発生します。

これは人間がやるしかありませんが、フードデリバリーのような全国規模で展開しているビジネスでロボットを導入する場合、その修理のための技術者を24時間365日体制で確保するとなると、かなりの難易度であることは間違いありません。

本格導入をする上での障害となっているのはこの部分が大きいと思われます。

フードデリバリーロボット導入の今後

まずはクローズドな空間(タワマン、病院など)から?

フードデリバリーロボットが公道を走るという未来は、諸々の課題の解決が不可欠なのでまだ少し先になるかもしれません。

ただ、クローズドな空間であれば、フードデリバリーロボットは十分に活躍すると思われますし、実際に出前館さんはタワマンから導入していくという動きもあるようです。

屋内なら、雨風の心配はないし、凸凹な路面状況でもありません。変な人に襲撃されるなんてこともまずありませんし、防犯カメラがあるでしょうから、何かあった際にはすぐに発見でき犯人追跡もできるはずです。

むしろ屋内こそ相性がいいと思われますので、屋内から展開されるように思います。

まとめ

フードデリバリーロボットがフードデリバリー業界に浸透していくことは間違いがないとは思います。

コスト面や配達人員の確保でロボットは優れていることが想像されますので、各社そちらへの投資を止めることはないとは思われますが、メンテナンス、配達速度の面ではどうしても課題が残りますし、これらの解決は相当難しいと思われますが、一歩ずつ実現に向けて進んでいることは間違いがないようです。