たけし鑑賞録

見た聞いたの記録

事件の涙「隣人のはずだった~限界集落 5人殺害事件~」を見た感想

f:id:takeshi1127:20220119141755j:plain

限界集落

そこで起きた凄惨な殺人事件は、「山口連続殺人放火事件」として当時テレビなどで何度も大きく報じられました。

 

その「山口連続殺人放火事件」の村の人々の今と、当時のことを追った「隣人のはずだった~限界集落 5人殺害事件~」。
どうすればよかったのだろうか・・・という健全なモヤモヤ感を残してくれる良い放送回でした・・・。

 

隣人のはずだった~限界集落 5人殺害事件~について

概要

放送日 2019年8月5日
プラットフォーム NHKオンデマンド

https://www.nhk.jp/p/ts/P2WVR66NRZ/episode/te/NL94JYNPXJ/

内容

6年前、蛍の舞うのどかな集落で、住民5人が殺害されるという事件が起きた。

犯行は故郷にUターンして暮らしていた男によるものだった。当時の住民たちが重い口を開いた。

山口県周南市の限界集落で、故郷にUターンして暮らしていた保見光成死刑囚が、1晩のうちに住民5人を殺害、2軒の住宅に火を放った事件。

親族や親友を失った住民たちは、なぜ、あのような惨事が起きたのかを考え続けてきた。保見の死刑判決を前に、住民が語った言葉からは、都会からUターンしてきた男と、住民たちの思いのすれ違いが、やがて埋められない溝となっていった過程が見えてきた。

隣人のはずだった~限界集落 5人殺害事件~の感想

「つけして 煙り喜ぶ 田舎者」

「つけ火して ~」の貼り紙、ネットで見たことがある。
これってこの事件のものだったんだ・・・

それがこの「隣人のはずだった~限界集落 5人殺害事件~」を見て初めに抱いた感想でした。

山口連続殺人放火事件」として大きく報道された事件。
この村に住んでいた方に当時の事件の前後をお聞きしたという内容で構成されています。

もう初めから最後までずっと心を掴まれっぱなしの内容だったのは、僕も田舎育ちだからってのがあるからかもしれません。

一晩で5人が亡くなった。
その事件当夜のことではなく、犯人が犯行に至るまでのことと、犯人が捕まった後の村のこと。

そこを中心となっています。
当然のことながら、もうこの村は寂しさが漂う村になっていることが、画面を通しても伝わってきました。

ボタンの掛け違い

残された村人の口々から出てくるのが後悔の言葉。

もっと話を聞いてやればよかった・・・などのものや、途中から被害妄想的なことを繰り返すようになった犯人に、もっと早い段階で歩み寄れなかったのか・・・というもの。

犯人としての交流の距離が生まれるキッカケとして、村の行事(草刈りなど)に参加を促したら、「なぜタダでそんな事をしなくちゃならんのだ!」と怒り、そこからギクシャクしはじめたとありました。

田舎あるあるだな・・・とも思いました。

そこからボタンの掛け違いのようなものが生まれ大きくなっていったのかな・・・と思いましたが、事件について少しだけネットで調べてみた感じでは、以降、村人が犯人に冷たくしたことは裁判でも言及されていたという事実でもありました。

だからといって殺人が正当化はされませんが、どうも違和感が残ると言いますか、事件の裏の部分を全部が全部をこの番組内では報じていないな・・・という印象がどうしても残りましたし、それならこの番組が伝えたいことは何なんだろう?という疑問も残りました。

交流を持ちたかった人だったという事実

非常に印象的だったのが、犯人は自宅の一部を改装し、喫茶スペースにしていたということ。

誰かが家に訪れてきたら、そこに案内してお茶を振る舞おうと考えて作ったスペースです。
でも、そこに誰も訪れなかったそうです。

そして、孤独を募らせていったそうです。

自宅を建てる時に、花があるからそれを除けるようにして家を建てたらいびつな形の屋根になっちゃったって周囲に笑って話すぐらいに、優しい人だったそうです。

でも、誰もそんな彼に見向きもしてくれなかった。誰も訪問してこなかった。
これはキツイ・・・。

したことは許されない事ですが、孤独が精神を蝕んだという背景が理解できないわけでもないな・・・というか。

そんなわけで

正直、犯人のことを100%の勢いで「この人は悪人だ!」と言えないという気持ちが残った「隣人のはずだった~限界集落 5人殺害事件~」でした。

行いそのものは極刑に値することであることに異論はありませんが、田舎という環境で、誰も訪問せず、歩み寄りもなく…となると、そこで感じる孤独感が半端じゃないことは想像に難くありません。

田舎という環境は、人が少ない分、そこでの人間関係が全てといっても良い部分がありますしね。

草刈りなどに出かけなければ、村に受け入れてもらえないという暗黙の掟のようなものがあるのもわかります。

それが良いのか悪いのかはわかりませんが、僕はそういうしがらみが嫌いなタイプなので田舎暮らしは合わないという割り切りが出来ていますが、この犯人は、それでも故郷の暮らしは好きだったというのですから、皮肉なものだと言いますか・・・。

そんなモヤモヤが残る、いい放送回でした。

 

 

takmon-pv.hateblo.jp