サッカーではホームチームが有利とよく言われ、アウェイは引き分けで終える事ができれば、それは勝利と同等の価値があるとも言います。
なぜそうなのかって理由を僕はこう思っていました。
- ホームチームを応援する観客が多いから
- 慣れ親しんだ環境での試合だからリラックスできる
だから、ホームは有利だと思っていました。
ところが、です。
微妙に僕は間違っていました。
「競争の科学」というサッカーとは直接関係のない本なのですが、ホームとアウェイについて触れているエピソードがありました。
それによると、ホームが強い理由は観客数云々じゃないところにあるそうなんです。
ホームと観客についての勘違い
ホームチームを応援しに来る人が多いから、ホームチームが有利。
この説が出た時代は、今のように放送網が整ってません。
もちろんネットもありません。
サッカーを見るにはスタジアムに応援しにいくというのが主流でした。
しかし、アウェイの試合にまで応援しにくる人はそう多くありません。
つまり、ホームでの試合は自分たちのことを見に来る人は多いが、アウェイでは少なくなる。だから、ホームでは必死でも、アウェイでは少々手を抜いてもバレにくいからホームの勝率が高いと言われていました。
しかし、今はテレビ中継もあればネットもあるので、ホームであってもアウェイであっても試合を見る人の数に大きな差はありません。
アウェイだからと言って手を抜くと、それはシッカリと伝わってしまいます。
という事は、説が生まれた時の条件と現代の視聴環境は噛みあってないんです。
でも、今もホームのほうが勝率は高いんです。
つまり、見ている人が居るというプレッシャーによりプレイの質が左右されるためという理由は現代には当てはまりません。
そして、もう一つ面白い話が掲載されてました。
無観客試合でもホームが有利
時々、なんらかのペナルティとして無観客試合が行われます。
以前、日本代表も北朝鮮代表と北朝鮮で無観客試合を行いましたよね。
あのような無観客の状態でのホームとアウェイの勝率はどうなのか。
これも、ホームの勝率のほうが高いんです。
観客が居ても居なくてもホームのほうが勝率が高いんです。
では、慣れ親しんだ環境でのプレイが勝率に影響しているのでは?
どうやら、こちらの理由のほうがホームが有利な理由に近いそうです。
ホームが有利な理由
ホームが有利な理由は、縄張り意識にあるそうです。
ここは俺の縄張りだ。
そこに入ってくる奴は、徹底的に自信を持って戦う。
闘争本能のようなものです。
そんな気持ちで向かってくるチームと戦い、引き分けで終わる事ができればアウェイチームは勝ちと同然ですね。
・・・と、ここで終わると、観客の応援はあってもなくても一緒なんかい!?ってなると思います。
でも、僕は全く逆で、縄張り意識を持って戦っているのなら、やっぱり応援されているかどうかは大きいと思います。
応援してくれる人が居るという事実が大切
縄張り意識というフレーズを本で読んだ時に、地域愛とか愛国心という言葉がふと脳裏をよぎりました。
たくさんの観客が来てくれる試合のほうが選手たちも奮起するでしょうが、観客が少ないから奮起しないってわけじゃないと思うんです。
チームを家族のように愛してくれる地元の人たちが居る。
この事実を実感できるだけで縄張り意識に繋がるのではないでしょうか?
試合をしている時だけではなく、日常生活の中でも地域の人たちと良い関係を作れているチームは、地域愛が深くなり、それが縄張り意識を強くし、そしてホームでの試合に強いチームなるのでは?と僕は思っています。
きっとこのあたりの事は、地域密着の色合いの強いサッカーとスポンサー色の強いプロ野球を比較すると何かわかるかもしれませんが・・・誰か代わりにやってくれませんか?
ホームでの勝率ランキングみたいなのを作ると、地域とのつながりの強さを知るバロメーターにもなるかもしれない・・・と思ったりもしましたが、どこかに角が立ちそうなので平和を愛する僕は思った所でやめときます。
というわけで、これからもし「ホームが強い理由は?」みたない事を聞かれた時は、「縄張り意識だよ!」って答えてみましょう。
参考文献